熱力学

熱機関とは?熱効率の求め方と公式や例題も解説!

熱力学第1法則』のポイントの一つが、「熱の一部を仕事に変えることができる」ということでしたね。
この発見が、人間の生活を大きく発展させたのです。

 

熱が生み出す仕事は、人間に比べて圧倒的なパワーがあったのですね。
ですから、科学者たちは仕事に変える装置である『熱機関(ねつきかん)』の技術を懸命に研究・開発しました。

 

そのおかげで、人間が重労働をしなくても、重い物を運んだりたくさんの製品を作ったりできるようになったわけですね。

 

分かりやすい例が、歴史の授業で出てきますよ。
18世紀後半に起こった産業革命です。

 

さて、産業革命と言えば必ず出てくる装置がありませんか?

 

そう、「蒸気機関」です。
石炭を燃やした熱で発生した蒸気を使ってものを動かす蒸気機関は、『熱機関』の一つなんですよ。

 

身の周りにある代表的な熱機関を挙げてみましょうか。

 

  • 蒸気機関車
  • 自動車などのガソリンエンジン
  • トラックや船舶などのディーゼルエンジン
  • 発電所の蒸気タービン

 

などがありますよ。

 

熱機関のおかげで快適な生活ができていることが良く分かりますね。

 

では、生活に欠かせない熱機関の仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

 

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熱力学第1法則とは?内部エネルギーや仕事との関係!

冷たいものを触ったあとや寒い日には、手がすっかり冷えてしまいますね。
そんな時、思わずやってしまうことがありませんか?
そう、手をこすり合わせますよね。

 

すると、手がだんだん温まってきます。
さて、どうしてでしょう?

 

昔の科学者たちも懸命に考えました。
そして、こんな結論にたどりついたのです。

 

「手をこするという運動エネルギーが熱エネルギーに変わったんだ!」
「エネルギーはどこかに逃げずに、別のエネルギーに変身することができるんだ!」

 

熱エネルギーをものを動かすエネルギーに変身させて動かしているのが蒸気機関車なんです。
石炭を燃やして熱を得てお湯を沸かすと水蒸気が発生しますよね。

 

水が水蒸気になると、体積は約1700倍に膨張して機関車のピストンを押します。
その力で機関車の車輪を動かし、列車を引っ張っているのです。
あんな重いものを動かすエネルギーを生み出せるなんて、ビックリですよね。

 

熱エネルギーはどこにも逃げずに、ものを動かすエネルギーなどに形を変えていることが分かりましたね。
これが『熱力学第1法則』の大事なポイントです。

 

固体・液体・気体の全てで成り立ちます。
ただし、固体や液体は熱をもらっても体積が大きく変わらないので、法則の例として分かりにくいのです。

 

ですから、体積変化が分かりやすい気体を使って、『熱力学第1法則』を理解していきましょう。

 

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物質の状態変化にひそむ潜熱!融解や蒸発との関係は?

「おはよう!」
気持ちの良い朝、起きたらすぐに顔を洗いたくなりますね。
蛇口をひねると、ジャーッと「水」が出てきます。

 

今日は暑いから冷たいものが飲みたいな・・・と思って、アイスティーを注文します。
アイスティーの中には、「氷」が入っていますね。

 

熱いお茶を飲みたいからお湯を沸かそう、と水を入れたケトルを火にかけます。
シュンシュン沸いて「水蒸気」が空気中に飛んでいきますね。

 

「氷」も「水」も「水蒸気」も、同じ水分子H2Oという小さな粒が集まってできています。

 

でも、冷やすとカチカチの「氷」になるし、温めると流れやすい「水」になって、さらに温めると目に見えない「水蒸気」になりますね。

 

このように、物質の姿は温度によって変わるのです。
このことを、科学用語では『状態変化(じょうたいへんか)』と言います。

 

『状態変化』は科学的にはどんな変化なのか、物質には何が起こっているのか、詳しく見ていきましょう。

 

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熱量保存の法則とは?問題の解き方のコツも解説!

寒くなってくると、温かいお風呂が恋しくなりますね。
さあ、寝る前にぬくぬくあったまろう~と湯舟に足を入れたとたん、

 

「あっ、熱ーーーーい!!」

 

あわてて蛇口をひねって、水をジャバジャバ・・・、
ようやく火傷しなくてすむ温度まで下がりました。

 

そうだお茶が飲みたいな、と冷たい湯のみに熱いお茶を注ぎます。
冷たい湯のみがじんわり温まってきましたね。

 

よくある話ですが、どうしてこんな事が起こるのか考えたことはありますか?

 

「熱いお湯と冷たい水を混ぜたらぬるま湯になるの当たり前だよね」
「冷たいものに熱いものをくっつけたら、まあ温まるよね」

 

そうです。そして、その当たり前を解明するのが科学です。
熱いお湯と冷たい水が分かれたままでいないし、熱いお茶が入った湯のみが冷たいままでいないのはなぜなのでしょう?

 

科学者たちはどう考えたのか、聞いてみましょうか。

 

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熱容量と比熱の違いとは?単位や公式と熱量との関係!

夏の暑~い日、海に行って泳ぎたくなりますね。
さあ海に入ろう!と砂浜を歩き始めると、
「うわ、足の裏が熱い!」
と走って海に飛び込みます。
「あれ、海は砂浜みたいに熱くなくて気持ちいいな」

 

不思議だと思いませんか?
砂浜も海も同じように日差しを受けていたのに、
砂浜は熱く、海はぬるくて気持ちいいなんて。

 

次は、金属製のお鍋に水を入れて火にかけてみましょう。
お鍋はすぐに触れないくらい熱くなるのに、水が温まるには時間がかかりますね。

 

みなさん、体感的に知っているはずです。
物には、温まりやすいものとそうでないものがあります。
物によって温まりやすさが違うのですね。

 

「物の温まりやすさを数値化したら、物同士の特徴を比べられて便利だろうな」
と昔の科学者たちは考えました。

 

そこで、『熱容量(ねつようりょう)』と『比熱(ひねつ)』という量を使って、物の温まりやすさを数値的に表すことにしました。

 

…といきなり言われても、なかなかピンときませんよね。

 

「熱容量と比熱って何で2種類あるんだろう?物の温まりやすさだから、『』が関係するのは分かるけど…」と思いませんか?

 

では、『』ってそもそも何だっけ?という基本的なところから、『熱容量』と『比熱』についてひも解いていきましょう。

 

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絶対温度とは?単位とセルシウス温度への変換方法!

「今日の最高気温は30℃だって!暑いねー!」

 

こんな感じで私たちが毎日使っている「温度」とは、セルシウス(セ氏)温度のことです。
[℃]という単位で表されている温度ですね。

 

簡単に言うと、水が凍る温度から沸騰する温度までを100等分して、その1つ分を1 ℃と決めたわけです。
「水が凍る温度を0 ℃にして水が沸騰する温度を100 ℃にしよう!」と、昔の科学者たちが決めたのですね。

 

ただ、気圧が上下すると水が凍ったり沸騰したりする温度が変わってしまいます。
富士山の山頂では、100 ℃より低い温度で水が沸騰するって聞いたことありませんか?
地上より気圧が下がる山頂では、水の沸騰温度は100 ℃より低くなってしまうのです。

 

こういうわけで、ちょっとややこしいのですが、
「私たちが普段生活している海抜0 mでの気圧(1気圧)を基準にしますよ!」
ということも決められました。

 

物理的な感じで言うと、セルシウス温度は、
「1気圧のもとで氷がとける温度(融点)を0 ℃、水が沸騰する温度(沸点)を100 ℃とし、その間を100等分して1 ℃と決めた温度」です。

 

日常生活で使うために決められた温度なのです。
スウェーデンの物理学者アンデルス・セルシウスにちなんで名づけられました。

 

でも、科学を勉強していると、『絶対温度(ぜったいおんど)』という新しい温度が出てきますね。
セルシウス温度とは、一体何が違うのでしょう?

 

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