
健康診断で使われているX(エックス)線など、放射線は色々な測定や検査、治療などに使われていますね。
放射性物質の原子核が崩壊して、より安定な原子核に変身するとき、放射線が放出されるのでした。
放射性物質の原子核の崩壊のことを、『放射性崩壊(ほうしゃせいほうかい)』と言います。
放射線にも種類があったように、放射性崩壊もその仕組みによって種類があるんですよ。
考古学では、放射性崩壊の特徴である『半減期(はんげんき)』という時間を使って、古代の遺跡や遺物の年代を調べています。
どうして、そんなことができるのでしょう?
では、『放射性崩壊』と『半減期』について見ていきましょう。
目次
放射性崩壊
放射性物質の原子核は、とても不安定なものでしたね。
原子番号が大きい原子核は大きいので、核力よりも陽子同士が反発する斥力(せきりょく)の方が強くなるのです。
そこで、放射線を出してもっと安定した別の原子核に変身しようとするわけですね。
この現象を『放射線崩壊』と言うのでした。
放射性崩壊は、原子の崩壊ではなく、原子核が崩壊する現象ですよ。
注意してくださいね。
放射線崩壊には3つの例があって、α崩壊(アルファほうかい)、β崩壊(ベータほうかい)、γ崩壊(ガンマほうかい)と呼ばれています。
そう言えば、放射線の種類にもα線(\(_{2}^{4}\rm{He}\))、β線(電子)、γ線(電磁波)という似た名前がありましたね。
そうです、放射線の種類と放射線崩壊の仕組みには深ーい関係があるのです。
では、順番に見ていきましょう。
・・・といきたいところですが!
これから放射性崩壊の反応式が出てくるんですね。
その反応式で使う、陽子・中性子・電子の記号を知っておきましょう。
陽子・中性子・電子の記号
元素記号X、質量数A(原子質量数を表すドイツ語Atommassenzahlに由来)、原子番号Z(数や番号を表すドイツ語Zahlに由来)を使った原子の表し方は、
\(_{Z}^{A}\rm{X}\)
でしたね。
例えば、ヘリウム原子核の場合は、
\(_{2}^{4}\rm{He}\)
となります。
陽子と中性子の質量はほぼ同じですから、質量数4は陽子1個の質量の約4倍ということを表します。
また、原子番号=陽子数ですから、原子核の電荷は陽子1個+e [C](クーロン)の2倍ですね。
つまり、質量数は陽子1個の質量の何倍か、原子番号は陽子1個の電荷の何倍かと読みかえることができるわけです。
では、陽子・中性子・電子を原子のように表してみましょう。
元素記号の代わりに、陽子(proton、プロトン)はp、中性子(neutron、ニュートロン)はn、電子(electron、エレクトロン)はeを使いますよ。
- 陽子の質量は陽子1個の1倍で、電荷は陽子1個の1倍なので、\(_{1}^{1}\rm{p}\)
- 中性子の質量は陽子1個の1倍で、電荷は0なので、\(_{0}^{1}\rm{n}\)
- 電子の質量は無視できるほど小さく、電荷は陽子1個の-1倍なので、\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)
となるんですね。
それでは、放射性崩壊の仕組みを見ていきましょう。
α崩壊
\(_{\;{92}}^{238}\rm{U}\)(ウラン238)のように原子番号が大きい原子核は、安定するには陽子数が多すぎるんですね。
核力よりも陽子同士の反発力の方が強くなり、不安定になってしまいます。
不安定とはいっても、原子核が勝手にバラバラに崩壊するわけではありませんよ。
核子の対称性が良くてがっちり結びついた\(_{2}^{4}\rm{He}\)(α線)が飛び出して、別の物質に変身します。
陽子2個と中性子2個を放出するので、質量数が4、原子番号が2減った物質に変身するんですね。
この現象をα崩壊と言います。
では、α崩壊を反応式で表してみましょう。
\(_{Z}^{A}\rm{X}\)がα崩壊すると、
\(_{Z}^{A}\rm{X}\)→\(_{Z-2}^{A-4}\rm{X}^{’}\)+\(_{2}^{4}\rm{He}\)
α線を出して\(_{Z-2}^{A-4}\rm{X}^{’}\)に変身しました!
反応の前後で、質量数の和と原子番号の和が一致していますね。
例えば、\(_{\;{92}}^{238}\rm{U}\)がα崩壊すると、
\(_{\;{92}}^{238}\rm{U}\)→\(_{\;{90}}^{234}\rm{Th}\)+\(_{2}^{4}\rm{He}\)
α線を出して\(_{\;{90}}^{234}\rm{Th}\)(トリウム234)に変身するわけですね。
β崩壊
\(_{\;{6}}^{14}\rm{C}\)(炭素14)のように、陽子に比べて中性子が多い原子核があります。
こういう場合は、中性子を減らして陽子を増やすとより安定な原子核になるわけです。
でも、電荷0の中性子が正電荷+e [C]を持つ陽子に変わることなんてできませんよね。
そこで、1個の中性子が陽子1個と電子1個に変わるというミラクルが起こります!
電荷は、0(中性子)=+e(陽子)+(-e)(電子)となるわけです。
反応式で書くと、こうなります。
\(_{0}^{1}\rm{n}\)→\(_{1}^{1}\rm{p}\)+\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)
さて、生じた電子はβ線として放出されてしまいます。
また、陽子が1個増えるので原子番号が1増えた物質に変身するわけです。
陽子数+中性子数=質量数ですが、中性子1個が陽子1個に変わるので、質量数は変わりません。
この現象をβ崩壊と言います。
では、β崩壊を反応式で表してみましょう。
\(_{Z}^{A}\rm{X}\)がβ崩壊すると、
\(_{Z}^{A}\rm{X}\)→\(_{Z+1}^{\;\;\;{A}}\rm{X}^{’}\)+\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)
β線を出して\(_{Z+1}^{\;\;\;{A}}\rm{X}^{’}\)に変身しました!
反応の前後で、質量数の和と原子番号の和が一致していますね。
例えば、\(_{\;{82}}^{210}\rm{Pb}\)(鉛210)がβ崩壊すると、
\(_{\;{82}}^{210}\rm{Pb}\)→\(_{\;{83}}^{210}\rm{Bi}\)+\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)
β線を出して\(_{\;{83}}^{210}\rm{Bi}\)(ビスマス210)に変身するわけですね。
γ崩壊
α崩壊やβ崩壊した直後の原子核は、α線やβ線を放出した反動で激しく振動したり回転したりしています。
つまり、エネルギーが高い状態になっているんですね。
なので、エネルギーが低い安定した状態へ移ろうとするわけです。
そこで、高エネルギー状態から低エネルギー状態に移るために、余ったエネルギーを電磁波(γ線)として放出します。
これがγ崩壊です。
崩壊といっても、何も壊れません!
γ崩壊では、原子番号も質量数も変わらないのですね。
原子核のエネルギーを下げるために電磁波(γ線)を出すだけです。
では、α崩壊、β崩壊、γ崩壊についてまとめておきましょう。
反応式 | 質量数 | 原子番号 | |
α崩壊 | \(_{Z}^{A}\rm{X}\)→\(_{Z-2}^{A-4}\rm{X}^{’}\)+\(_{2}^{4}\rm{He}\) | 4減少 | 2減少 |
β崩壊 | \(_{Z}^{A}\rm{X}\)→\(_{Z+1}^{\;\;\;{A}}\rm{X}^{’}\)+\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\) | 変わらない | 1増加 |
γ崩壊 | 電磁波(γ線)を出す | 変わらない |
α崩壊やβ崩壊は、1度だけでなく何度か行われたりしますよ。
また、1つの放射性物質がα崩壊とβ崩壊を起こすこともあるんです。
放射性物質は、原子核の崩壊を繰り返して、最終的に安定した物質に変わります。
そうすると、放射線を放出しなくなるわけですね。
実は、放射性崩壊はむやみやたらに起こるのではなく、ちゃんと規則性があるんですよ。
放射性物質の半減期
放射性物質は、時間が経つと放射線を放出して別の物質に変身していきますね。
つまり、もとの放射性物質の原子核はどんどん減って、別の原子核に変わっていくわけです。
もとの原子核の数が1/2になる時間を、『半減期』と言います。
半減期は、原子の種類によって、数秒や数日間の場合もあれば、100億年を越える場合もあるんですよ。
もとの原子核の数の時間変化は、図1のようになります。
図1 原子核の数の時間変化
つまり、残った原子核の個数の半分が、半減期ごとに崩壊していくのですね。
ここに放射性物質が64 gあるとします。
→半減期Tが経つと、半分の32 gが崩壊
→さらに半減期Tが経つと、残った32 gの半分にあたる16 gが崩壊
→さらに半減期Tが経つと、残った16 gの半分にあたる8 gが崩壊
というわけですね。
さて、半減期を使うと、ある時間が経ったあとに、崩壊せずに残った原子核の数が分かるんですよ。
放射性物質の最初の原子核の数をN0、半減期をT、経過した時間をtとしましょう。
t経過後に崩壊せずに残った原子核の数Nを考えてみますね。
t=0でN=N0
t=T(半減期1回)でN=N0×\({\frac{1}{2}}\)
t=2T(半減期2回)でN=N0×\({\left({\frac{1}{2}}\right)}^{{2}}\)
t=3T(半減期3回)でN=N0×\({\left({\frac{1}{2}}\right)}^{{3}}\)
・・・・
となりますね。
半減期Tごとに原子核の数は1/2になります。
そして、時間tの間に半減期はt/T回ありますね。
ですから、時間tの間に原子核の数が1/2になることがt/T回繰り返されるわけです。
つまり、崩壊せずに残った原子核の数Nは、
\({N}\)=\({N}_{0}\left(\frac{1}{2}\right)^\it{\frac{t}{T}}\)
と表せるわけですね。
ややこしく見える式ですが、やっていることはシンプルなんですよ。
この式をちょっと変形すると、
\(\frac{N}{{N}_{0}}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^\it{\frac{t}{T}}\)
となります。
最初の原子核の数がN0、t経過後に崩壊せずに残った原子核の数がNですから、N/N0はt経過後に崩壊せずに残った原子核の割合ですね。
ある放射性物質のN/N0と半減期Tが分かっているとしますよ。
そうすると、経過時間t、つまり、この物質は何年前から存在しているのか?が計算できるわけです。
考古学などの年代測定は、こうやって行われているんですよ。
さて、例題を解いて理解を深めましょう!
例題で理解!
(2)\(_{\;{55}}^{137}\rm{Cs}\)がβ崩壊してBaに変化するときの反応式を書け。
(3)\(_{\;{90}}^{232}\rm{Th}\)が崩壊を繰り返して鉛Pb(原子番号82)になったときの質量数とα崩壊した回数とβ崩壊した回数を求めよ。
(1)β崩壊では、中性子1個が陽子1個と電子1個に変わりますね。
なので、原子番号が1増えて電子を1個放出しますが、質量数は変わりませんよ。
反応式は、\(_{\;{6}}^{14}\rm{C}\)→\(_{\;{7}}^{14}\rm{N}\)+\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)
よって、\(_{\;{7}}^{14}\rm{N}\)になるわけです。
(2)β崩壊では、中性子1個が陽子1個と電子1個に変わりますね。
なので、原子番号が1増えた原子に変化して、電子を1個放出しますよ。
反応式は、\(_{\;{55}}^{137}\rm{Cs}\)→\(_{\;{56}}^{137}\rm{Ba}\)+\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)
(3)反応式が与えられていないので、自分で反応式を書きますよ。
α崩壊とβ崩壊の回数が分からないので、α崩壊をx回、β崩壊をy回としましょう。
α崩壊は\(_{2}^{4}\rm{He}\)を放出し、β崩壊は\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)を放出しますね。
Pbの質量数を□として反応式を書くと、
\(_{\;{90}}^{232}\rm{Th}\)→x×\(_{2}^{4}\rm{He}\)+y×\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)+\(_{\;{82}}^{\;\Box}\rm{Pb}\)
反応式の前後で、質量数の和と原子番号の和は保存されるので、
質量数:232=4x+□・・・①
原子番号:90=2x+(-1)y+82・・・②
①式でxは整数なので、x=6と□=208の組み合わせだけになりますよ。
②式に代入すると、y=4です。
これより、Pbの質量数は208、α崩壊は6回、β崩壊は4回ですね。
次は、半減期を求める問題です!
崩壊せずに残る原子核が50 gになるまでには何年かかるか。
(2)放射性崩壊する原子核が8 gあったが、30日後に崩壊せずに残っていた原子核は2 gであった。
この原子核の半減期を求めよ。
(3)次の文章の( )を埋めよ。
\(_{\;{84}}^{210}\rm{Po}\)は(ア)崩壊して\(_{\;{82}}^{\left(イ\right)}\rm{Pb}\)になる。
ある量のPoから出てくる放射線数ははじめ372個/分だったが、276日後には93個/分であった。
\(_{\;{84}}^{210}\rm{Po}\)の半減期は(ウ)日であり、276日後のPoの数ははじめの量の(エ)倍に減少した。
276日間で出てきた放射線の総数は、はじめのPoの原子数の(オ)倍である。
(1)半減期の式では原子の数を使っていますが、質量でも半減期の式は成り立ちますよ。
原子の数が多いほど質量が大きくなるので、質量に置きかえてもOKなのです。
原子核のはじめの質量をN0=800 g、崩壊せずに残った原子核の数をN=50 g、半減期T=25年としますよ。
半減期の式\(\frac{N}{{N}_{0}}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^\it{\frac{t}{T}}\)から、
\(\frac{50}{800}\)=\(\frac{1}{16}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^{\frac{t}{25}}\)
\(\frac{1}{16}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^{4}\)なので、\(\frac{t}{25}\)=4
ですから、t=25年×4=100年かかりますね。
(2)原子核のはじめの質量をN0=8 g、t=30日後に崩壊せずに残った原子核の数をN=2 gとしましょう。
半減期の式\(\frac{N}{{N}_{0}}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^\it{\frac{t}{T}}\)から、
\(\frac{2}{8}\)=\(\frac{1}{4}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^{\frac{30}{T}}\)
\(\frac{1}{4}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^{2}\)なので、\(\frac{30}{T}\)=2
ですから、半減期T=30日÷2=15日ですね。
(3)(ア)Poの原子番号が84、Pbの原子番号が82と原子番号が2つ減っているので、α崩壊ですね。
(イ)\(_{\;{84}}^{210}\rm{Po}\)はα崩壊するので、α線である\(_{2}^{4}\rm{He}\)を放出しますね。
つまり、陽子を2つと中性子を2つ放出するので、質量数が4、原子番号が2減少するわけです。
\(_{\;{84}}^{210}\rm{Po}\)→\(_{\;{82}}^{206}\rm{Pb}\)+\(_{2}^{4}\rm{He}\)
Pbの質量数は206ですね。
(ウ)半減期を求めるには、「はじめの原子核数」と「崩壊せずに残っている原子核数」が必要ですね。
問題文には原子核数が書いていないので、代わりになるものを探しましょう。
放射線数の単位である個/分は、「単位時間あたりに出てくる放射線数」を表します。
そして、「単位時間あたりに出てくる放射線数」は「崩壊せずに残っている原子核数」に比例しますね。
なので、\(\frac{276日後の\rm{Po}の数}{はじめの\rm{Po}の数}\)=\(\frac{276日後の\rm{Po}の放射線数}{はじめの\rm{Po}の放射線数}\)と置きかえられるわけです。
\(\frac{276日後の\rm{Po}の数}{はじめの\rm{Po}の数}\)=\(\frac{276日後の\rm{Po}の放射線数}{はじめの\rm{Po}の放射線数}\)=\(\frac{93個/分}{372個/分}\)=\(\frac{1}{4}\)=\({\left({\frac{1}{2}}\right)}^{{2}}\)
はじめのPoの数をN0、276日後に崩壊せずに残ったPoの数をNとしましょう。
半減期の式\(\frac{N}{{N}_{0}}\)=\(\left(\frac{1}{2}\right)^\it{\frac{t}{T}}\)から、
\(\frac{276日}{T}\)=2なので、半減期T=138日ですね。
(エ)\(\frac{276日後の\rm{Po}の数}{はじめの\rm{Po}の数}\)=\(\frac{1}{4}\)=0.25倍になりますよ。
(オ)「276日間に出てきた放射線の総数」とはどういう意味でしょうか?
原子核がα崩壊して放射線が出てきますから、「276日間に出てきた放射線の総数」=「276日間に崩壊したPoの数」なんですね。
「276日間に崩壊したPoの数」=「はじめのPoの数」-「276日後のPoの数」=「はじめのPoの数」×(1-0.25)=「はじめのPoの数」×0.75
なので、276日間で出てきた放射線の総数は、はじめのPoの原子数の0.75倍ですね。
では、仕上げに理解度チェックテストをやってみましょう!
放射性崩壊と半減期理解度チェックテスト
【問1】
(1)\(_{\;{88}}^{226}\rm{Ra}\)がα崩壊してRnに変化するときの反応式を示せ。
(2)\(_{11}^{24}\rm{Na}\)はβ崩壊する。どのような原子核に変わるか。
(3)\(_{\;{92}}^{235}\rm{U}\)は、α崩壊とβ崩壊をくり返して\(_{\;{82}}^{207}\rm{Pb}\)となった。
α崩壊した回数とβ崩壊した回数を答えよ。
【問2】
次の反応式を完成させよ。
(1)\(_{4}^{9}\rm{Be}\)+\(_{2}^{4}\rm{He}\)→□+\(_{0}^{1}\rm{n}\)
(2)\(_{7}^{14}\rm{N}\)+□→\(_{8}^{15}\rm{O}\)
【問3】
炭素の放射性同位体\(^{14}\rm{C}\)の半減期は約5.7×103年であり、考古学の年代測定に使用されている。
木に含まれる\(^{14}\rm{C}\)は木が枯れると崩壊するので、残った\(^{14}\rm{C}\)の量が分かれば、木が枯れてから何年経ったのか知ることができる。
はるか昔に枯れた木に含まれる\(^{14}\rm{C}\)の量は、現在の大気中に含まれる\(^{14}\rm{C}\)の1/4であった。
この木が枯れたのは何年前か推定せよ。
まとめ
今回は、放射性崩壊の仕組みと半減期についてお話しました。
放射性崩壊は、
- 放射性物質の原子核が、放射線を出して安定した別の原子核に変わること
- α崩壊は、\(_{Z}^{A}\rm{X}\)→\(_{Z-2}^{A-4}\rm{X}^{‘}\)+\(_{2}^{4}\rm{He}\)(α線)
- β崩壊は、\(_{Z}^{A}\rm{X}\)→\(_{Z+1}^{\;\;\;{A}}\rm{X}^{‘}\)+\(_{-1}^{\;\;{0}}\rm{e}\)(β線)
- γ崩壊は、何も壊れておらず電磁波(γ線)が出るだけ
半減期とは、
- 放射性崩壊する原子核の数が1/2になる時間
- 最初の原子核の数N0、半減期T、経過時間tとすると、崩壊せずに残った原子核の数Nは、
\({N}\)=\({N}_{0}\left(\frac{1}{2}\right)^\it{\frac{t}{T}}\)
α崩壊とβ崩壊とγ崩壊はごっちゃにならないようにきちんと覚えてくださいね。
今回で、物理基礎の原子編は終わりです!
興味を持ったことは、自分でも調べてみてくださいね。